簿記1級の難易度は?正直独学はおすすめできない5つの理由

簿記1級に挑戦しようと思うけど、難しいのかな?
簿記2級も独学で合格したし、簿記1級も独学で行けるでしょ。

今回はそんなあなたに向けて記事を書いています。

簿記1級の取得を考えている人の中には、その難易度や独学でも合格できるのか気になる人は多いと思います。

先に結論から言ってしまうと、簿記1級は難しく独学はおすすめしません。

そういう私も、簿記2級までは独学で合格していますが、簿記1級では惨敗しています。

そこで今回はそんな経験をもとに

・簿記1級の難易度
・簿記1級では独学をおすすめしない理由

についてご紹介していきます。

日商簿記1級の難易度は?

簿記1級は、非常に難易度の高い試験になります。

それは合格率をみれば一目瞭然です。

簿記1級の合格率

受験者数実受験者数合格者数実質倍率
157(2021.2.28)7,785名6,351名502名7.9%
156(2020.11.15)10,078名8,553名1,158名13.5%
153(2019.11.17)9,481名7,520名735名9.8%
152(2019.6.9)8,438名6,788名575名8.5%
150(2018.11.18)9,852名7,588名680名9.0%
149(2018.6.10)9,429名7,501名1,007名13.4%
147(2017.11.19)10,675名8,286名487名5.9%
146(2017.6.11)9,064名7,103名626名8.8%
144(2016.11.20)11,062名8,416名783名9.3%
143(2016.6.12)9,845名7,792名846名10.9%
141(2015.11.15)11,791名9,087名873名9.6%
140(2015.6.14)10,361名8,108名716名8.8%
138(2014.11.16)12,882名9,931名877名8.8%
137(2014.6.8)11,095名8,738名847名9.7%
135(2013.11.17)14,330名11,037名1,153名10.4%
134(2013.6.9)12,902名10,143名984名9.7%
132(2012.11.18)16,782名13,146名1,690名12.9%
131(2012.6.10)14,837名11,960名1,455名12.2%
129(2011.11.20)19,078名14,731名1,919名13.0%
128(2011.6.12)16,635名13,160名1,365名10.4%
引用:商工会議所

簿記1級の合格率は、10%前後なことが多く、酷いときには約6%になります。

簿記2級の合格率が20~30%であったことを考えると、難易度が高いことがわかりますよね。

簿記1級合格に必要な勉強時間

簿記1級の勉強時間は一般的には500~600時間と言われています。

しかし、私の実体験から言うと簿記にそれなりの知識があってこの勉強時間が目安になると思います。

初学者や簿記からしばらく離れていた人はもっと勉強時間は必要となります。

目安としては以下の通りです。

初学者、簿記から離れていた人800~1000時間
簿記3級レベルの知識700~800時間
簿記2級レベルの知識500~600時間

もっと言うと、スクールに通ってこのくらいの勉強時間です。

独学となるとさらに必要な勉強時間は増えます。

簿記1級が難しい2つの要因

簿記1級が難しいのは主に以下の2つの理由によります。

・勉強範囲が広い
・足きりが存在する

簿記2級が2科目だったのに対し、簿記1級では4科目あります。

また、それぞれの科目についても勉強範囲がとても広くなっています。

加えて、簿記1級ではそれぞれの科目で40%以上得点しないと合格は絶対できません

このように、簿記1級では広い出題範囲に加えて各科目ともに必要最小限の得点が求められているという点において難しいとされています。

簿記1級の独学はおすすめしない5つの理由

①受験者のレベルが高い
②出題範囲が広い
③独学ではつまづきやすい論点が多い
④苦手科目を作れない
⑤モチベーションが保てない

①受験者のレベルが高い

独学をおすすめしない1つ目の理由は「受験者のレベルが高い」ことです。

簿記1級の受験層は以下の2通りに大別されます。

簿記2級合格者
②公認会計士・税理士志望

どちらも、レベルが高いのは言うまでもありませんよね。

とはいっても、簿記1級は70%以上得点すれば合格できる資格なので周りのレベルは関係ないと思うかもしれません。

ここで注目してほしいのは、ハイレベルの受験者のわりに低い合格率なことです。

つまり簿記1級は、バリバリに勉強しているが多いにも関わらず10%程度しか合格できない資格なのです。

そのため、簿記2級を独学で合格できたとしても、簿記1級を独学で合格するのは非常に厳しいです。

②出題範囲が広い

2つ目の理由が「出題範囲が広い」ことです。

簿記2級の2科目に対し、簿記1級では倍の4科目が試験科目としてあります。

商業簿記
会計学
工業簿記
原価計算

見てわかる通り、会計に関する知識が余すことなく出題範囲となっています。

この広範囲な量の中で合格するためには、

・優先順位をつけた勉強
・全体をまんべんなく効率よく勉強
・長期間の勉強に対するモチベーションの維持

など、コントロールをしていく必要があります。

独学の場合、これらを全て独力でコントロールしなければなりません。

正直いってかなり難しいです。

③独学ではつまづきやすい論点が多い

3つ目の理由が「独学ではつまづきやすい論点が多い」ことです。

簿記1級は広大な出題範囲に加え、独学ではつまづきやすい論点が多いです。

例えば以下のような論点。

減損会計
資産除去債務
キャッシュフロー計算書
業務的意思決定
設備投資意思決定
退職給付会計
売価還元原価法
デリバティブ取引
ヘッジ会計
リース会計
税効果会計
新株予約権

実務で経理をしている人ですら理解が難しい論点が多いため、実務に乏しい人が勉強するとなるとかなりハードルが高いものになります。

各単元ごとにつまづきやすいポイントがあるため、独学では毎回つまづいているうちに挫折することが多くなってしまいます

④苦手科目を作れない

4つ目の理由が「苦手科目を作れない」ことです。

簿記2級までは、全体で70%以上の得点が取れれば合格できました。

しかし、簿記1級では各科目ごとに40%を下回ってはいけない足きりが存在しています。

つまり、全体で70%以上の得点があったとしても、どれか1科目でも40%以下の得点の場合不合格になってしまうのです。

そのため、苦手科目や捨て科目を作ることができず、独学の場合その苦手分野を自力で克服しなければいけないことになります。

⑤モチベーションが保てない

5つ目の理由が「モチベーションが保てない」ことです。

これまで独学をおすすめしない理由の通り、独学でモチベーションを保つのは非常に難しいです。

膨大な試験範囲や苦手科目を作れないことから、一度つまづいてしまうと挫折してしまうことが多くなります。

簿記1級は素直に予備校を活用するのが吉

簿記1級は独学でも決して合格できないことはありません。

しかし、簿記1級に関しては素直に通信講座など予備校を利用するのが合格への一番の近道です。

通信講座では、

・合格するための効率的なカリキュラム
・質の高い授業
・分からない点も質問できる

などのメリットがあります。

費用も独学に比べるとかかりますが、そこまで高いものではないため合格したい人は通信講座で学習することをおすすめします。

まとめ

今回は簿記1級の独学はおすすめできない理由についてご紹介しました。

ポイントをおさらいすると、

①受験者のレベルが高い
②出題範囲が広い
③独学ではつまづきやすい論点が多い
④苦手科目を作れない
⑤モチベーションが保てない

になります。

本当に合格したいのであれば、通信講座などを利用するのがおすすめです。

簿記

Posted by nao